木根尚登.com
  • 04.01.2015
  • RESETからREBOOTへ(木根尚登)

REBOOTロゴ

 

僕は今までどれだけ、自分にも、他人にも、ウソをついてきたのか?どれだけ本音を語ってきたのか?RESETとはそんな事も考える時間だった。

 

憧れと夢で心を満たしてから、もうかれこれ40年以上。ウソも100回つけば真実になると言うものの、所詮ウソはウソでしかないわけで、夢も100回語れば現実になると言いたいところだが、これもまたなかなか難しい。

 

夢を叶えた?叶えたとしたらどれだけ?あの日ビルの屋上から見たあの夕日の色は覚えてる?あの日風に乗って聞こえてきたあのメロディは?あの頃ずっと欲しかったあのギターは?あの夏訪れたあの街のざわめきや静けさは、今も僕の心の中にちゃんとある?

 

……

 

きっとある。

 

だからこうして前を向ける。

 

大きな船に乗ってきた30年。ギターを弾いて、ピアノも奏でて、ハーモニカも吹いた。本も書いた。主役だって演じた。スクリーンの中にもいた。映像に音楽もつけた。自分の声を電波に乗せて、思いをみんなへ届けた。

 

厚くて重いブラウン管の時代も、うすっぺらな液晶になってからも、真っ黒なサングラスをかけて、時折僕はそこに姿を見せた。たまに“あの人はどこへ向かってるの?”という声が聞こえてきたりもした。でも、僕の向かう先は40年前から変わらない。正直に言うと、少し悩んだ時期もあったけど、もう迷わない。残された時間は貴重だから。年齢を重ねるごとに朝日が、雲が、雨音が、鳥たちの会話が、そして風さえもが愛おしくなる。限りある未来だからこそ、そこへ向かってまた歩き出そう。REBOOT。

 

僕には師がいる。同志がいる。家族がいる。メンバーがいる。友がいる。そして何より応援してくれる君がいる。ありがたい。何も怖れることはない。さあ、進もう。

 

サングラスをかけた僕は光のシャワーを浴びて、今までもそうであったように、思いを言葉にして、それをメロディに乗せて歌う。サングラスの向こう側に見える人たちの為に。

 

素通しのメガネをかけた僕は新たな道をつくる。今まで蓄えてきた多くの経験を勇気に変えて。本が踊る。旋律は語り始める。ピアノは月に誘われて、鍵盤に手をそえる。物語が始まる。いや、物語を始めるんだ。友達が手を振る。新しい仲間が駆け寄る。笑って泣いて、そして行き着く場所は、僕が小学校の頃思い描いたあの…。

 

サングラスの僕。

 

メガネの僕。

 

君はどっちが好き?

 

 

2015.4.1

木根尚登